国境なき記者団が日本政府に「記者会見への参加制限の撤廃」を要請

国境なき記者団(RSF)は、日本政府に対し「新型コロナウイルス危機に伴う緊急事態宣言(5月25日に解除)が発令された際に設けられた記者会見への参加制限」を撤廃するよう求めた。 

 

緊急事態宣言は5月25日に解除された。しかし、日本新聞労働組合連合(新聞労連)によると、日本政府は未だ記者会見へのジャーナリストの参加制限を継続している。新型コロナウイルスのパンデミックを受け、社会的距離を保つことを理由として、通常であれば100人以上の参加も可能な記者会見において、現在出席を許される記者の数は29名に制限されている。

 

国境なき記者団の東アジア事務局長セドリック・アルビアニは「市民が未だかつてないほど情報を必要としている状況下において、日本政府が新型コロナウイルス危機を利用して記者会見へのアクセスを制限することは認められない」また「社会的距離を保ちながら、全てのジャーナリストを収容できるだけの規模の部屋を使用することを妨げるものは何もない」と述べた。

 

官邸記者クラブに加盟している報道機関19社は、各社1名のみが記者会見参加を認められる。一方、記者クラブに所属していないフリーランス記者や外国特派員らは、抽選により10名のみが参加を許可されている。

 

さらに政府は、ごく最近まで慣例的に、記者クラブメンバーには約3問、非メンバーには約2問程度の質問制限を設けていた。現在質問数はやや改善されたものの、事実上追加質問は認められておらず、また、記者クラブメンバーは質問を事前提出することを求められている。これらの措置は、政権が慎重にならざるを得ないような話題に関する質問を回避することを可能にしている。

 

4月21日、日本のメディア従事者のネットワークである日本マスコミ文化情報労組会議(MIC)は、その調査報告において安倍内閣の新型コロナウイルス報道に介入しようとする試みや、ウイルス関連の科学的データの透明性の欠如などを非難しており、このような現在の状況は福島原発事故の際の政府の対応を思い起こさせる。

 

「表現の自由」の国連特別報告者・デビッド・ケイ氏は、2017年、日本における報道の自由に関して重大な懸念を表明した。また、2019年にはさらなる悪化を指摘している。

 

日本は、2020年の報道の自由度ランキングで180カ国中66位だった。

 

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