国境なき記者団、2017年の「報道の自由賞」3名(団体)を発表

11月7日、「国境なき記者団(RSF)」(本部・フランス)と「TV5-Monde」(フランス)は、2017年度の「報道の自由賞」を発表しました。受賞者は以下の3名(団体)です。

 

【ジャーナリスト・カテゴリー】

受賞者:トーマス・ピアテク(ポーランド)

●日刊紙『ガゼタ・ワイボラ』の記者であるトーマス・ピアテク氏は、著書『マチエレウィチと彼の秘密』で、アントニ・マチエレウィチ防衛大臣とロシアの諜報機関との関係を暴きました。そのため現在、政府寄りのメディアから非難され、さまざまな脅迫を受けています。そして今後、軍事法廷に起訴され、3年の実刑を受ける可能性があります。ピアテク氏はRSF(国境なき記者団)に次のように語りました。「2年前まではジャーナリストが軍事法廷で裁かれることなど想像すらできませんでした。これはジャーナリズムに対する強迫です」

 

【メディア・カテゴリー】

受賞者(受賞団体):メディアスコープ(トルコ)

●「メディアスコープ」は独立した報道を勝ち取り、トルコではほぼ抑圧されている公開の議論を復活させるため、ジャーナリストのルセン・チャケルによって2015年9月に設立されました。国境なき記者団(RSF)の2017年度世界報道の自由度ランキングで、トルコは180か国中155位。メデイアスコープはオンラインでのビデオ放送、ポッドキャストなどで、政府から抑制されたジャーナリストや市民ジャーナリストに発表の場を与えています。プログラムは政治、社会、文化、スポーツなど多様。一部はクルド語、ドイツ語、フランス語、英語でも提供されています。

 

【市民ジャーナリスト・カテゴリー】

受賞者:ソヘイル・アラビ(イラン)

●テヘラン在住の写真家ソヘイル・アラビ氏は、イスラムを冒涜し政府を批判するfacebookの作成に関与したとして、2013年12月に逮捕され、独房に2カ月間収容されました。そして、裁判では禁固3年と30回の鞭打ち刑、高額な罰金の判決が下され、二審では死刑判決に。最終的に2015年9月に禁固7年半が確定。その後、今年7月には彼の妻も逮捕されて8日間拘束。妻は現在も脅迫や嫌がらせを受けています。